2024.03.08
☆3月室内装飾☆
さて、今回は3月の室内装飾についてお伝えしたいと思います。
3月(弥生)の装飾
~雛祭り~
雛飾り 吊るし雛 桃の花
奈良時代の3月上旬の巳の日に人形(ひとがた)で自分の体を撫でて穢れを移しそれを川に流し厄払いや邪気払いをしていた「上巳の節句」と、平安時代の貴族階級の女の子のお人形遊び「ひいな遊び」が結びつき、流し雛が誕生したといわれています。その後、江戸時代に人形作りの技術が向上したことで、流し雛から家に飾っておく雛人形へと変化し、雛祭りとなったと言われています。
雛飾り:人形(ひとがた)や流し雛の風習から、雛人形に女の子の穢れを移して厄災を身代わりに引き受けてもらうと言われています。
吊るし雛:昔、雛人形はとても高価なもので、庶民にはなかなか手に入らないものでした。そのため、生まれてきた子の幸せを願い庶民の間で、家族や親戚、近所の人たちみんなで小さな人形を作り持ち寄って吊るし雛が作られたと言われています。それぞれのモチーフひとつひとつに、女の子の元気な成長を願った意味が込められています。
桃の花:古来より長寿や魔除け、邪気を払う霊木とされています。上巳の節句の頃に桃の花が咲いていたため、桃の花を飾るようになり、桃の節句と言われるようになったようです。
(ほし組)
お雛様を見に行くと目線を合わせてみる子、上から見る子、指さす子、遠巻きに見る子と一人一人違っていました。
桃の花よりも小さくてかわいらしい雛人形の方に興味が向いているようでした。たくさん触れたり、じーっと観察したりしていましたよ。
天井からつるしてある吊るし雛にも気づいていて「ぶらんぶらん」と指さしながら伝えていました。また、雛人形の表情を見て寝ている顔に見えたからか「ねんね」とも言っていました。
(つき組)
お雛様を見に行くと金色の屏風が気になって触っていました。触ると後ろに倒れてしまい、”壊してしまったかもしれない”と思ったのか少し驚いている様子だったので、保育者が元の戻すとほっとしたようでした。毎月、季節の装飾に触れる中で「これは触れてもいいものだけど大事に扱うもの」という気持が育っているのを感じました。
「こっちがお内裏様で、こっちがお雛様だね」と伝えると「おひなさま?こっちは何?」と繰り返し聞いて確認していました。
吊るし雛が風で揺れていて、子どもたちは息を吹きかけて揺らそうとしていました。毬を不思議に思った様子だったので、子どもたちには分かりやすく毬をボールと説明すると「キックするんだよね」とボールの使い方と繋がり話す姿が見られましたよ。また、「ウサギさん可愛いね」とニコニコと見つめる様子もありました。お雛様をの前を通る度に「きれいー」と言っていました。
(そら組)
雛人形を見つけると「かわいい!小さいね!」と言いながら近づいていました。
雛人形の高さに目線を合わせてじーっと見つめる姿も見られましたよ。
「お家にもあるのかな?」と聞くと「大きいのがあるよ」と手を広げて大きさを表現して伝えていました。来ている着物の色の違いに気づいて「これが好きだよ」「○○は紫も好き」などと優しく触れながら子ども同士でやりとりをしていました。また、自分の赤ちゃん人形にも「見せてあげる」と膝にのせて見せてあげる姿が見られました。
吊るし雛に気付くと「なにこれ!」と。下からだと何が飾ってあるのかが見ないですが、横から見るとウサギや毬の形が見えて「かわいいね」と言っていました。
雛祭りでは、元気に大きくなりますようにという願いが込められていることを伝えると、手を合わせてお願いしていました。お願いをし終えると「もう大きくなったね!」と嬉しそうでした。
いつもの室内装飾とは少し違う、可愛らしい雛祭りの装飾にみんな目を輝かせて見ている姿が印象的でした。
季節の移り変わりと日本の伝統行事を、五感で感じながら大きくなって欲しいなぁと感じる子どもたちの姿でした。