2020.08.29
保育園での食事 🍚
保育園での食事で、わたし達が心掛けていることを今回はお伝えしたいと思います。
乳幼児期の食事では「食を営む力」の基礎を育むことが 大切なことになってきます。
そのために重要なことは「食べることを楽しむ」ことです。
大好きな大人やお友達と、楽しい雰囲気の中であたたかな言葉掛けをしてもらい、手助けしてもらい、見守られることで子どもは食べることが「楽しい」と感じられるのです。
また、味覚は経験の記憶と結びついて思い出しやすいという性質があります。
子どもの頃、苦手な食べ物を無理やり食べさせられた、全部食べないと遊びに行けなかった、というような嫌な記憶があったりしませんか?
苦手なものを無理に食べなくてはならない経験は、食の場面が嫌な思い出として残り「食事=嫌なこと」と認識されてしまう可能性があります。
食の好みが出てくる、ということは自分の好きな味が理解できるようになっているという、成長の1つの姿です。
嫌いなものと好きなものがあり、その中から自分が食べたいものと体に必要なものを選択していく力こそ、生きていく上で必要な力なのです。
ですから、乳幼児期の食事はバランスよく食べる事や完食を目的とはしていません。
また、食事の場面はたくさんのことを獲得する良い機会です。
もう子どもではない私たちが、子どもに共感し、寄り添いたいと思っても、 考えていること、感じていることを100%理解することは難しいです。
ですが、味覚、おいしさについては、大人も子どもも同じように感じることが出来るため、食の場面は子どもの気持ちに共感できるチャンスになります。
同じものを食べ、楽しい時間、雰囲気を共有する。
大好きな大人が「すっぱいね」「甘いね」「楽しいね」など、子どもが感じた味覚や感情に名前を付けていくことで、言語の獲得にもつながっていく。
このように食事は子どもと分かり合える、大切にしたい時間なのです。
食事がおいしいと感じるために必要な環境づくりにも取り組んでいます。
①子どもが食べたいと思ったときに食べられること
②食べやすい食具を使用すること
③体が安定して食べることが出来る机やいすであること
④介助する大人が子どもの側を歩き回ることがないこと
大人でもうるさかったり、座り心地が悪かったり、近くで人がバタバタしているとなんだか嫌だなあと感じると思います。
落ち着いた環境の中で食事をすることで子どもが「おいしい」「食べたい」と感じることが出来るよう、心掛けています。
人間は食べ物を取り込んだ後に咀嚼をすることで旨味を感じ消化を促していきます。
そのために保育園では一人一人の発達に合った食事形態を提供しています。
好きな人と一緒に食べる食事は楽しいです、美味しいです。
そういった経験をたくさん積み重ねていってもらえたらいいなあと願っています。