保育園の運営方針について
運営責任者 深谷 弘之
子どもの発達を理解していれば、子どもに対して「叱る」「言い聞かせる」ことは意味がないことです。大人は子どもに目に見える成果を求め焦る結果、周りと比べたり、発達以上のことを求め「しつけ」を行うのです。私たち大人は、子どもの発達を見極め、その時その時に合った子どもへの関りを行い、受容的に関わることが重要と考えています。
しかし、「しつけを行わなければ子どもが将来困ってしまうのではないか」「もっときまりやしつけをしてほしい」という要望を親御さんから受けることがあります。
子どもが生涯生きていく上で必要なことは、どのようなことでしょうか。
それは、小さな頃から大人の話を聞いて、指示通りに動くことのできる大人になることではなく、人として生きていく力(非認知能力)こそが必要なのです。
非認知能力は、子どもたちが自分で考え気付くことで育まれます。子どもは安心できる環境の中で、遊びを通し様々なことに自らが考え気付くことで成長していきます。
そのために、私たちが運営する保育園では、以下の保育方針を定めています。
子どものこころにたくさんの「まんぞく」を与える保育
「子ども達にたくさんの満足をあたえる」とは
「子ども達が自分で満足したと感じられる状況をつくる」と言う意味です。
これは指導を受けた児童心理学博士に「幼児にとって一番重要なものは何か?」という問いかけに対する答えでした。
子どものしぐさや表情で確認できる「満足感」でなければならないということです。
この博士は、「幼児期の保育者との応対(アタッチメント)が大人になったときの人格形成(パーソナリティ)に深く影響する」ということを長年研究されていました。幼少期の成長過程において「まんぞく感(自己肯定感)」が少ない関わり方が常態化されれば、生涯にわたり悪影響を及ぼす可能性もあるため、できるだけ自己肯定感が上がるような関わり(たくさんの満足を与える)を行うことが子どもの成長に最も必要であるとのことです。そしてこの「たくさんの満足を与える」とは、保育士が与える「満足だろう」ではなく、子どものしぐさや表情で確認できる「満足感」を指しています。乳幼児期はとても大切な時期と捉えています。それは成長の過程で一番影響を受けやすい時期であるからなのです。あとから乳幼児期をやり直すことはできません。保育園は働く親たちのためだけにあるわけではなく、子ども達の大切な時期に関わる場所なのです。
私たちが運営する保育園では、子ども達にたくさんの満足をあたえ、将来の「子ども達の自立」につながる保育を行っています。